天下のフェラーリ正規輸入代理店コーンズで車検のお願いをしました。
12年オチの中古車ならぬ大古車を、8年月賦で買う怒涛の身のほど知らずな一般民間人が、なぜコーンズに車検整備を選んだのかって?
まず、2月の購入当時より10ヶ月後に車検( 検有効期限 99年11月 )だと認知してたので、あらかじめローンの借り入れ額を 「 フェラーリ代+車検費−手持ちのお金
」 と考えていました。
そう、素晴らしいことに当初からある程度の蓄えをしてたのです、自分自身が蓄えたわけではないのですが。(笑)
それと購入した328GTBはコーンズ物のコーンズ販売、過去のメンテもすべてコーンズ整備、これにて328生活が比較的平穏だった前オーナーも当然コーンズ様の整備をオススメしてきます。
さらにコーンズ様にはこの328GTBの過去診療録(カルテ)が存在すると聞く・・・。見てみたい。
この高貴な系統を筆者の代で断絶してはならぬ、筆者にも一度は正規代理店コーンズ様で受けてみたい野心はあるぞ、よっしゃ一発受けてやる!
という予備費の存在と、万世一系のコーンズ系譜と意固地な理由が合い重なった結果です。
・・・その深層心理には前愛車テーマ8・32の正規代理店が途中で無くなってしまってたという悲しい思い出もあります、正規代理店のある喜びを存分に味わってみたい・・・なんて。(笑)
ついでながらこの春に新しい職場へ移動した私事も理由のひとつです。
そう、前の職場の退職金。(笑)
別に328のために退職したワケではないのですが( あたりまえ )、これは思いがけない臨時収入っす、どど〜んと気が大きくなりました。
ま、使っていいものかどうかは疑問ですがね・・・ 。
こちらの結果は老後に出ます。(笑)
ってなワケで備蓄しといた車検費と、足りない分はちょっと退職金を使わしてもらうってことで車検整備はコーンズ様に決定です。
冷静に考えればコーンズ様で車検なんて後にも先にもきっとこの一回だけでしょうね、収入面やクルマ遍歴を考えても。(笑)
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東雲の白い巨塔 |
例の春に入庫した時( SAB立ち往生事件 )にちびっと仲良く話しが出来るようになったコーンズのM氏に、車検&整備見積もりを依頼してみました。
M氏曰く、「 診てみないとわからない 」。(笑)
なるほどそりゃごもっともだわい、ってことでまだ残暑厳しい9月10日に早々入庫させてしまいました。
車検有効期限の2ヶ月以上も前のハナシです。
この早々入庫の理由は3つ。
まず、どーにもこーにも例の始動不能癖が不安だったこと、出先でいつ症状が出るかビクビクしてるのは、精神衛生上まことによくない。
次に、調査してみると前回のTベル( タイミングベルト )交換から3万キロ以上が経過してるらしいこと。
コーンズ様で定期的にテンション調整などをしてるし、よく耳にする「 コーンズメンテのフェラーリでTベル切れなんて聞いたコト無い 」という伝説も信じてますが、やはりこれも精神衛生上よくありません。
更には、フェラーリ様の夏は暑く厳しい。(笑)
エアコンガスが抜けてるのか本来の性能なのかよくわかりませんが、とにかくエアコンが効かない。
これじゃクルマより先に乗ってる人間がオーバーヒートしちゃいそう。
真夏でも思ったより水温が上昇しない328( 対8・32比 )は大変有り難いのですが、逆にエアコンの効きの悪さを痛感してしまいます。
暑い暑い夏、これじゃ328に乗る気もしない、ならば今のうちに入庫しちゃって秋には爆走するぞ!ってな理由です。
仕上がりを気候がちょうどよくなる10月下旬にする皮算用です。
コーンズ様の整備はメカさんの入念なチェックにて整備必要&交換必要を判断し、進められていくようです。
これを聞いたので「 すべてをコーンズ様におまかせしては申し訳ない、ここはひとつ不安と思われる箇所を事前に書いといてお願いしてみよう 」と思いつき、いざ書き出してみたら不安箇所がほぼ全域。(笑)
これでは費用が天文学的数字になってしまうと予想されるので、ピンポイントに凝縮して書き出してみることにしました。
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− 整備をして欲しい箇所 −
・エンジン始動不能の不具合 ※症状詳記を添付してます
・助手席ドアロックが連動しない修理
・助手席側内装の剥がれの修復
・スペアキーの製作
− 交換をして欲しい箇所 −
・タイミングベルトおよびテンショナーベアリングの交換
・燃料フィルターとフューエルタンクのバランスチューブ交換
・エンジンオイルとミッションオイルとブレーキフルードとLLCの交換
・室内導入用のエアフィルターの交換
・シフトノブの交換 ※クラックがあるため
− 心配してる箇所 −
・ブレーキホースやラジエター・燃料ホースなどの各ホース類
・クラッチワイヤーおよびクラッチ本体
・ブレーキパッドおよびローター、キャリパー
・ドライブシャフトブーツ
・エンジンマウントと各ブッシュ類
・Wポンプとオルタネータと燃料ポンプ
・プラグコードとプラグ、各スイッチ&リレー
・ホイールベアリングとダンパーの状態
・エアコンのガス ***************************************************
ほとんど全部ですね。(笑)
ぜんぜんピンポイントになっていませんが、書くだけ書いちゃいました。
入庫時さっそくコーンズM氏に手渡すと、ここまで書いてくるお客はかなり珍しいそうです。(笑)
やっぱりすべてコーンズ様まかせ、「 おぅおぅ まかせたぜっ 」 て顧客が多いのでしょうねえ。
結局、上記2つの「 整備して欲しい箇所 」と「 交換して欲しい箇所 」の筆者創案の基本セットだけでお願いし、あとはコーンズ様メカさんに一任です。
もちろん高額な修理箇所を発見した場合は、即効で連絡して欲しいと忘れずに伝えました。
それと筆者が支払える整備費用の上限も。(笑)
その後、見積もり算出完了予定の2週間を過ぎても連絡がこないので、こちらから電話してみました。
すると例の始動不能の原因究明中だそうで、少し遅れてしまいますとの事。
ま、仕方がない、おおらかな気分で待つことにしよう。
さらに2週間後、入庫して1ヶ月後ようやくコーンズ様より電話連絡が来ました、「 原因が判明し、見積もりも完成しました 」 。
とりあえず見積もり金額を聞くと、
「 全部やると360万です 」
・ ・ ・ ・ ・ ・。
・・・2秒後にわれに返り、とっさに思いついたのは資金繰り。
これじゃ328を売らなければ捻出できない、あ、でも売ったら328が無くなるのか。あああ、ワケわからん。(笑)
これはこのまま引き取って他のショップを探そうか、それともユーザー車検取って朽ち果てるまで乗っていようか、にしてもやけに丁度の金額だな、ひょっとして
「 360モデナ発売記念価格 」なんだろーか?
などなどいろんな思いが、走馬灯どころかTD04タービンのようにブンブン回っていると、
「 もしもし? 全部というのは、ご依頼された全部をやってのことですよ 」。
ってことでコーンズ様は律義にも筆者が書いた依頼箇所を、全部新品交換した場合の見積もりを立ててくれたのでした。
それにしてもすんごい金額だなぁ、328のレストアをコーンズ様ですると新車の360モデナが買えるのではないだろーか?
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郵送されてきた360万の見積書 |
M氏のハナシをよく聞くと、筆者草案の基本セット+若干の整備 ( オルタのオーバーホール、オイル漏れ発見でミッションチェンジシャフトシールなどの交換、インジケーター不良による配線引き直し、などなど )で100万ちょっとらしい。
むむむ、それでも結構なお値段っす。
コーンズ様で車検整備するって筆者が大騒ぎしてたら 「 じゃ、100万覚悟ね 」 とアドバイスをくださった皆さま、アタリです。大アタリ〜、ドンドンドン。(笑)
単純に100万ったらかなりお高いですが、今回気合いを入れて整備すれば次の車検に楽できるだろーし、何より今後今回のようにある程度まとまったオカネは用意できない。
それにこれから328とすごす日々を至福に味わいたいので、ネガティブな面を残しておくのもヤダ。
別のショップに今さら鞍替えするってのもなんだしなぁ、などなどヤルときゃイッキだぜ!の精神で正式依頼してしまいました。
そういえば「 4年で400万の整備代がフェラーリに乗る資格 」なんて福野礼一郎さんも言ってたしなぁ・・・( くるまにあ 99/11号 )。
ちなみに前の愛車テーマ8・32も気合い入れて整備すると100万近くいってしまいますからね、仲間に8・32乗りが多いのでここらへんの金銭感覚に慣れてるっつーハナシもあります。
100万なんて安いもんすよ、たぶん・・・。(涙)
また、主治医をコーンズ様としているベテランフェラーリオーナーさんに話しを伺うと、コーンズ様にすべてをおまかせした方が結局リーズナブルになるそうです、変なリクエストをする方がかえって高額になるらしい。
・・・なんとなく実感できます。(笑)
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無事終了しました |
入庫してからほぼ2ヶ月経過の99年11月6日、ハレて我が328GTBが完成しました。
キツク張られたタイミングベルのウィンウィンする音も高らかに無事完成です、かなり嬉しい。
パーツが欠品してて本国取り寄せになってしまうドアロックのアクチュエーターだけ未整備になってしまいましたが、ま、走るのに何の支障もないのでとりあえず受け取りです。
ちなみにこちらは入庫次第で交換予定です、お国がお国だけに多分来年かな?(笑)
で、例の始動困難の原因を報告しときますが、これは「 燃料アキュムレーターの不良 」だったそうです、筆者にはよくわかりませんが燃料がいってなかったってカンジかな、とりあえずコイツが下手人みたいです。
んで、整備内容をちらちら見せてもらいましたが一応連絡があった内容に沿って遂行してるみたいでした、これでしばらく安心か? いや、安心であって欲しい、安心でなければならない、ブツブツブツ・・・。
少しオマケしてくれたものの、ちょいと予算オーバーだった費用や詳細な整備内容は別項の「 赤裸々シート 」を参照されてください。
この金額を安いと思うか、妥当と思うか、やっぱり高いと思うかはもちっと情報集めてみないと判断できませんね。
ま、正直安くはないと思っているのですが、コーンズ様に入庫した以上は納得せねばなりません、日本のフェラーリ正規代理店であらせますコーンズ様をわざわざ選んだのですから。
コーンズ様の雑感ですが、清水某氏の文章やいろいろな噂で、かなり傲慢で高額なイメージを抱いていたのですが、傲慢ってのはハズレです、筆者のような一般民間人にも懇切丁寧に対応してくれました。
ましてや筆者のように、いちいち整備箇所を指図してくるメンドくさい客相手にも嫌な顔ひとつせずお相手してくれた紳士的な応対にも感謝です。
でも後半の高額ってのは結構イイセンかもしれないっすね、少し一般民間人の金銭感覚とはズレがあるような・・・。
ま、身分不相応な一般民間人がフェラーリを買うからズレて当然か。
今回の車検&整備をたとえると、安く売ってるとこが他にもあるのに情報知らないで定価で物を買ってしまったような感覚かもしれません。
でも単にそう言い切れないのがコーンズ様。
フェラーリも奥深ければコーンズ様も奥深いです。
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