ガレイタ?オートザム?

ガレイタ?オートザム? (フェイズ1・2物語)

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ガレイタ?オートザム? (フェイズ1・2物語)

こちらでは8・32の2つのモデルと、2つの販売店について解説します。

ここらへんが一番混乱しますから。(笑)

まず、2つのモデルとは8.32にはフェイズ1とフェイズ2というモデルがあるということ。

2つの販売店とはガレーヂ伊太利屋(通称ガレイタ)と、オートザム(マツダの旧ディーラー)になります。


まずはフェイズ1とフェイズ2から。

8・32の変遷 」にも記載しましたが、ランチア・テーマ全体は大きく3種類に分類することができます。

フェイズ1、フェイズ2、フェイズ3、あるいは前期型、中期型、後期型。

しかしながら8.32はフェイズ3の登場とともに消滅してしまったので、フェイズ2までの8.32しかこの世に存在しません。




そして、ランチア・テーマの生産年は1984年から1993年までの14年間になりますが、そのうち8.32の生産年は1987年から1992年までの5年間しかないということ。

この間1998年9月に大掛かりなマイナーチェンジがテーマ・シリーズ全域に行われました。フェイズ1からフェイズ2への変更です。

当然ながら、登場が遅れてきた8.32は相対的にフェイズ1の生産期間が短くなってしまってます。

その間、わずか1年と9ヶ月。

この違いにより8・32は前期型、後期型、あるいはフェイズ1・フェイズ2モデルと分類することができます。

注意すべきは本家テーマには前期型、中期型、後期型があるのに、8.32は前期型と後期型だけしかありません。

ここらへんがややこしいのですが、8.32の後期型はテーマシリーズでいうと中期型になるんです。

などと、とても紛らわしくなるので8.32はフェイズ1、フェイズ2と呼ばれて分類されることが多くなります。


次に2つの販売店。

当初8.32はガレイタのみで販売されていました。

その後、1990年よりランチアの販売権を獲得したオートザムからも販売されるようになりました。

8.32がフェイズ2になったのは1988年末なので、オートザムが販売した8.32はすべてフェイズ2になります。

逆にフェイズ1の8.32はガレイタ物しか存在しません。

その後、8.32はガレイタ、オートザムの両社から販売されていましたので、フェイズ2の8.32はガレイタ物とオートザム物の両方が存在します。


分類 型式 最大出力 最大トルク 生産年 販売
フェイズ1 E−L34FL 215HP 29.0kg 1988年1月頃〜1989年4月頃 ガレーヂ伊太利屋
フェイズ2 E−L34Q 205HP 26.8kg 1989年5月頃〜1989年12月頃
E−A834F 200HP 26.8kg 1990年1月頃〜1992年?月 オートザム、ガレーヂ伊太利屋
※生産年と登録年とは異なる場合があります



フェイズ1とフェイズ2の対比画像
フェイズ1↑ フェイズ2↓

マイナーチェンジなので大きくは変化ありませんが、それでも細部に違いは見いだせることと思います。


以下にフェイズ2への変更点を列記します。


フェイズ1からフェイズ2への変更箇所
外装 ヘッドライトが薄型になり、ウインカーランプと2分割される。
ヘッドライトワイパーが廃止される。
ドアミラー形状の変更がされ、同時に電動格納式を採用する。
ドアミラーにヒーターが内臓される。
サイドスカートのエンブレムを廃止する。
リアのエンブレムを廃止する。
フロントバッチの上部トリコロールを廃止する。
サイドモールが太いものへと変更される。
エンジンヘッド・インテークカバーの形状変更。(小型化)
ウオッシャーノズルがワイパーアームからボンネットへ移動。
内装
重量感知式のリアヘッドレストが採用される。
PWなどのスイッチの形状変更。
室内温度計の華氏(F)表示が外気温摂氏(℃)に変更される。

その他筆者が知りうる変更点も記載します。結構頑張って仕入れた情報なのでかなり細かいです。(笑)

その他の相違点
分類 フェイズ1 フェイズ2
型式 E−L34FL E−L34Q E−A834F
ラジエターファン 本国仕様 熱対策ファン
クラッチケーブル ワイヤー式 油圧式
触媒装着 日本到着後 本国生産ライン
オーディオ ソニー アルパイン
スピーカー数 フロント×2  リア×2 フロント×2  リア×4
取扱い説明書 英語 日本語



フェイズ1の詳細画像


一番目立つ違いはやはりヘッドライトでしょう。

フェイズ1のライトはとても大きく、ヘッドライト用のワイパーが装備されています。フェイズ2では上下2層にウインカーがスモークにビルトインされており、薄目でシャープな雰囲気になりました。

ドアミラーの形状も異なってます。

フェイズ1は2本のステーで支える形状で、調整は手動でした。フェイズ2からは形状が一般的な1本ステーとなり、同時に室内からの電動調整が可能となりました。また、フェイズ2からはヒーターが内臓されています。
( 「 陥没ドアミラー」 にフェイズ2のドアミラー画像があります。)



そしてフェイズ1にはリアと、両方のサイドスカートの部分にエンブレムが付いています。

リアには左下に 「 LANCIA 」 、右下には 「 THEMA 8・32 」 のエンブレムプレートが装備されています。

サイドスカート後方にはこれまた「 8・32 」のエンブレムが埋め込まれています。

ちなみにこれらのエンブレムはいつの間にか無くなっていることが多いそうです。(笑) 走ってると落ちちゃうんですね、オーナーの方はご注意を。

フェイズ2にはこれらエンブレムはありません。当時とても羨ましかったと記憶しています。



他コンテンツでもご紹介したフロントグリル内にあるエンブレムです。

左がフェイズ1で右がフェイズ2。

ご覧の通りフェイズ1のエンブレムには、上部にイタリアントリコロールが施されております。これまたとても羨ましく思ってました。

こんなトコをケチってどうすんのよ〜、と当時強く感じてました。(笑)

ちなみにどちらも8・32の 「・」 部分が中央よりやや下にさがった位置にありますね、8.32でも8・32でもありません。

このへんの考察は「 8.32エンブレムの謎 」をご覧ください。



わかりにくいかもしれませんが、エンジンヘッド・インテークカバーの大きさが違います。

画像は、左がフェイズ1で、右がフェイズ2です。

画像だとわかりにくいですが、実物ははっきりと大きさの違いがわかります、フェイズ1のカバーはとても大きいです。

ためしに赤いランチア・バイ・フェラーリから、左右の銀色のライン本数を数えてみるとよくわかります。フェイズ1の方が本数が多いでしょ?

なぜ小型に変更されたのかわかりませんが、馬力はフェイズ1の方が高かったので、このあたりを変更してデチューンしたのかもしれません。
(出力の違いは 「8.32型式と出力の謎 」を参照してください。)

ちなみに乗ってみるとフェイズ1の方が速いです。(完調ならば)

よく見るとプラグコードの取りまわしも違っています。




これぐらいが今の筆者の限界でしょう、なにせ実車が無いので。(苦笑)

これ以降テーマクラブ等で画像を集められたらまた追加していきます。



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