フェラーリＶ８車体番号解説




フェラーリＶ８車体番号の解説



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なんかこのフェラーリ３０８ＧＴＢってアヤシイ・・・・。

コーンズ物（ディーラー車）って書いてあるけど、バンパーが小さいぞ？

とかく怪しげに売られてる事が多いフェラーリですが、そのシャーシーナンバー（ 車体番号 ）を解読する事である程度の素性を判断することができ、重要な情報を引き出す事ができます。

こちらではその車体番号の読み方ガイダンスなどを掲載します。

ちなみに９９年発売のモデナからその表記ルールが変更されてしまいましたので、Ｆ３５５までのＶ８シリーズのガイダンスになります。

車体番号はここにある


328	355

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

かつての愛車３２８ＧＴＢ（日本仕様）と、Ｆ３５５（ＥＵ仕様）の車体番号です。

さっそくこの２台の素性などを探ってみましょう。

車体番号はご覧の通り１７桁の英文字と数字から成り立ってます（ ××は数字を伏せてます）。

この表記法は１９８０年にアメリカが定めた車輌認識番号（ＶｅｈｉｃｌｅＩｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎＮｕｍｂｅｒ：Ｖ．Ｉ．Ｎ．）に基づいているものです。

フェラーリ社は１９８０年以降の生産車全車種の車体番号表示方法に、このＶ．Ｉ．Ｎ．コードを採用しています。

１番目の文字「Ｚ」

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

生産者の国籍を表わします。イタリアのコードは「Ｚ」なので、すべてのフェラーリはこの「Ｚ」から始まることになります。

今後もここが変わることは考えられないので、未来永劫「Ｚ」のままだと思います。

２番目と３番目の文字「ＦＦ」

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

車輌のブランドと生産者を表わします。

ブランド名がフェラーリで、生産者もフェラーリなのでこれは「ＦＦ｣となります。

ちなみにディーノ・ブランドだと「ＤＦ」となります。

１９８０年以降のディーノ・ブランドは３０８ｇｔ４だけです。

しかしこの年に「フェラーリ３０８ｇｔ４」へとブランド変更されてしまったので「ＤＦ」と刻印されてるｇｔ４は超希少な車体になります。

存在するのかどうかはわかりませんが。

４番目の文字

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

調べによると、エンジンのタイプや、型式そのものとか仕様などを表わしているようです。

下表によりますと、３２８は仕様別に分類されていることがわかります。

一方のＦ３５５は、前期・後期のみで分類されていることがわかります。

Ａ：３０８／２ヴァルブのインジェクション／北米仕様	Ｍ：３０８ＱＶ／１９８３年／北米仕様
Ｂ：３０８／キャブのウエットサンプ／欧州仕様	Ｍ：Ｆ４０／北米仕様
Ｃ：３０８／キャブのドライサンプ／欧州仕様	Ｐ：２８８ＧＴＯ
Ｃ：３２８／欧州仕様	Ｐ：Ｆ３５５／初期型
Ｆ：３０８／オーストラリア仕様	Ｒ：３４８／後期型／北米仕様
Ｆ：３４８／初期型／北米・日本仕様	Ｓ：モンディアル／３．２後期型／北米仕様
Ｇ：３０８／キャブレター／北米・日本仕様	Ｕ：３０８ＱＶ／１９８４～８５年／北米仕様
Ｇ：Ｆ４０／欧州仕様	Ｕ：３４８／後期型／欧州仕様
Ｈ：３０８／欧州仕様	Ｗ：３２８／欧州仕様
Ｋ：２０８ターボ	Ｘ：３２８／北米・日本仕様
Ｋ：３４８／欧州仕様	Ｘ：３５５／後期型
Ｌ：３０８ＱＶ／欧州仕様

５番目の文字

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

乗員の安全装置や保護装置を表わしています。

３２８シリーズは２シーターなので「Ａ」が該当します。

ちなみにＦ３５５初期型までの歴代２シーターＶ８モデルはすべてこれになることがわかります。

エアバッグはＦ３５５中期型より装備されましたので、これ以降のＦ３５５はすべて「Ｒ」になります。

Ａ：前席３点式イナーシャ・シートベルト

Ｂ：前席３点式イナーシャ・シートベルト／後席３点式非イナーシャ・ベルト

Ｃ：前席３点式イナーシャ・シートベルト／後席２点式イナーシャ・ベルト

Ｄ：前席３点式イナーシャ・シートベルト／後席３点式イナーシャ・シートベルト

Ｒ：前席３点式イナーシャ・シートベルト＋エアバッグ

６番目と７番目の数字

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

車種別の識別固有番号を表わします。

３２８ＧＴＢが「１９」で、３５５ＧＴＳは「４２」です。

そのまんまの数字ですね。

０１：３０８ＧＴ４	２０：３２８ＧＴＳ
０１：３０８ＧＴＢi	２１：モンディアル３．２クーペ
０２：３０８ＧＴＳi	２６：モンディアル３．２カブリオレ
０３：３０８ＧＴＢ	２７：ＧＴＢターボ
０４：３０８ＧＴＳ	３２：モンディアルt クーペ
０８：モンディアル８	３３：モンディアルt カブリオレ
１０：２０８ＧＴＢターボ	３４：Ｆ４０
１１：２０８ＧＴＳターボ	３５：３４８ｔｂ
１２：３０８ＧＴＢＱＶ	３６：３４８ｔｓ
１３：３０８ＧＴＳＱＶ	４１：Ｆ３５５ベルリネッタ
１４：モンディアルＱＶクーペ	４２：Ｆ３５５ＧＴＳ
１５：モンディアルＱＶカブリオレ	４３：３４８スパイダー
１６：２８８ＧＴＯ	４８：Ｆ３５５スパイダー
１９：３２８ＧＴＢ

８番目の文字

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

車両の国別仕様を表します。

筆者の３２８ＧＴＢは日本仕様なので「Ｊ」、Ｆ３５５ＧＴＳは欧州仕様の「Ｂ」になります。

Ａ：アメリカ	Ｊ：日本
Ｂ：欧州（ＬＨＤ）	Ｓ：スイス（ＬＨＤ）
Ｃ：英国（ＲＨＤ）	Ｔ：中東
Ｄ：オーストラリア

９番目と１０番目の文字

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

これはちょいと複雑です。

まず、９番目の文字は本来アメリカでのチェックされるための「番号」が入ります、いわばＶ．Ｉ．Ｎ．全体のチェックです。

アメリカ以外の仕様には通常「０（ゼロ）」が使われます。

１０番目の文字には本来アメリカでのモデル・イヤーを表わします。

アメリカ以外の仕様は、９番目と同じ「０（ゼロ）」が使われます。

Ｆ３５５ＧＴＳはこの表記法に従って「００（ゼロゼロ）」になっています。

日本仕様の場合、８番目の「Ｊ」から９・１０番目の文字を使って「ＪＰＮ」あるいは「ＪＡＰ」と表記されることが多いそうです。

筆者の３２８ＧＴＢにもこの表記方法が使用されていました。

１１番目の数字

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

車輌が生産された工場を表わします。

フェラーリ社の場合、工場はマラネロにしかありませんので常に「０（ゼロ）」となります。

他にも工場があったなら、この工場番号が違ってきたのでしょうね。

１２番目以降の数字

「ＺＦＦＸＡ１９ＪＡＰ００６３８ ×× 」：３２８ＧＴＢ
「ＺＦＦＰＲ４２Ｂ０００１０４７×× 」：Ｆ３５５ＧＴＳ

車輌単体固有のシリアルナンバーです。（ ××は伏字）

ちなみに３２８ＧＴＢはＳ／Ｎ：５８７３５～８３０１７まで１３４４台が生産されました。

３２８ＧＴＳはＳ／Ｎ：５９３０１～８３０７５までの６０６８台です。

ってことで３２８の生産台数の８割はＧＴＳになることになります。

Ｆ３５５の生産台数はよくわかりません、３２８までは発表されてた生産台数が公開されなくなってしまいました。

一説には総数１万台以上とも聞いておりますが・・・ホントでしょうか？

ご存知の方がおりましたら、どうか教えてください。

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