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GTスパイダー |
筆者号はGTS。
屋根が外せるお手軽タルガトップ式のオープンカーです。
名前の由来はたぶん 「 グランツーリスモ・スパイダー 」 かと。
なんでもアメリカ市場を中心に人気があったということで、ピッコロ・フェラーリの祖、ディノの代よりラインナップされきてたピッコロ・フェラーリ定番のグレードでした。
ディノから308へ、そして328。
特に328時代は最大の隆盛を誇り、その生産台数の約8割を占領するという大偉業を達成しています。
それが世のフェラーリ購買層のニーズが変化してきたのか、348時代ではベルリネッタとほぼ同数になってきました。
さらに決定的だったのは93年に発表された348スパイダー、正真正銘のスパイダーの登場です。
これによりGTSはなんとなく中途半端なイメージになり、急激に売れ行きが失速します。
94年に登場したF355にもGTSボディは継続されましたが、これが人気だったのは355スパイダーが登場するまでの間とアメリカ市場だけだったとか。
日本でもあまり見ることが少ないので、F355にGTSボディは存在しなかったと思う人がいるぐらいその知名度は急落します。
とどめは99年登場の360モデナ、ついにGTSボディは継承さることなく断絶してしまいました。
後に登場した360スパイダーがトンネルバックだったことを考えると、もはやデザイン的に不可能だったとかいう問題では無いと思います、単に整理されただけ。
時代のニーズに翻弄されたちょっと悲しいGTSストーリーです。
しかしながら筆者はGTSが希望でした、ホントのホンネ。
328がクローズなGTBだったってこともたぶん深層心理的には関係してるとは思いますが、もし348や355を買うのならお手軽タルガトップのGTSボディを希望してました。
日本ではフェラーリにストイックな走りの面を求める方が多いようで、どのモデルもベルリネッタボディが人気だそうです。
ところが筆者は雰囲気派です(笑)、やはりオープンエアは魅力的。
ならばいっそスパイダーへってテもあるのですが、こちらはちょっと気が引けるし、買えないし、で断念してます。
さらなる利点は348や355のTSとGTSには308・328時代にあったハメ殺しの三角窓や、リアクォーターガラスに黒いルーバーが無くて見た目スッキリしてます。
トップを閉じてしまえばシルエット的にはベルリネッタ、これまた魅力です。
もともと355には 「 音 」 を期待してましたしね、トップ外してトンネル走るたびにGTSにして正解だったと思います。(笑)
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1: クローズドの状態 |
2: ウインドウを左右とも下げます |
3: ロックはここ |
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4: サンバイザーを下げて |
5: レバーを下に下げます |
6: もちろん左右ともレバーを下げます |
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7: ルーフを上に押し上げます |
8: 外から見た状態 |
9: 後ろ側のピンを引抜いたらご開帳 |
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お手軽オープンエア |
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1: 次に屋根をしまいます |
2: 左右のシートを前に倒します |
3: こんなカンジ |
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4: ルーフのピンを穴に入るように・・・ |
5: こんなカンジにしまいます |
6: シートを戻して完成 |
タルガトップは慣れてしまえば数分で脱着可能です。
しかしながら注意点がいくつかあります。
355のトップは開口面積が大きいのが魅力ですが、かなり大きいルーフトップになります。
なので重量もそれなりに重くて取り扱いに神経を使います、うっかり落としてボディに当てたりしたら・・・オソロシイ。
そして最大の欠点は収納する時に左右を逆にしなければならないこと。
328系タルガトップは外したままの方向でシート裏に収納するのですが、355は左右を逆にしなければなりません。(わかりますか?)
画像を見てもらえればわかると思いますが、トップの外側になる面がシート裏になってます、つまり左右逆。これはトップが大きいため湾曲がキツクなってるからだと思われます、328系の収納方法だと反ってしまいますからね。
大きくて重たいトップ、そして収納時には左右を逆にしなければならない。
お手軽というものの、その作業行程は結構面倒です。この一連の作業は2人で行った方が安全でしょう、筆者はアシスタントがいる時しか空けません。(笑)
ちなみにトップを収納するカバーなんてのも純正にあるのですが、筆者は面倒なので一度も使用したことがありません。(笑)
カバーは革製の袋になっており、中に収納するのがとてつもなく面倒そうです。
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乗ると結構な開放感があります |
開口面積が大きいので、かなりの開放感があります。
画像ではAピラーが傾斜してるため、あまり開放的では無いと思われがちですが、355のドライビングポジションは結構後ろ側なので 「 太陽標準装備
」 がきちんと堪能できます。
三角窓が無いのもスッキリしてて、開放感をより増長してくれます。
実際に走行すると風の巻き込みはやはりあります、しかしサイドのウインドウを上げていれば高速道法速度ぐらいまでは大丈夫。
それ以上の速度になると室内のモノが散乱しはじめます、モノがフワッと浮き上がる様相はまるでポルターガイスト現象です。(笑)
気になるGTSの剛性面ですが、ルーフをカットすることにより剛性面は確実に落ちます。
その対応策としてエンジン後部のあたりに補強材を加えているそうです。
それを逆手にとってか、市販車を改造して作成する348フェラーリ・チャレンジでは、わざわざタルガボディを選んだ参戦者がいるそうです。
なんでもロールケージとかで強化すると、素のベルリネッタより剛性があがるとか。
ちなみに355チャレンジではGTSとスパイダーボディの参戦は認められていなかったので、GTSのチャレンジ車両は存在しません。
なにかと悲運な雰囲気のGTSですが、筆者的にはまったくもってOKな仕様でした。
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